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旅立ち(anna side)
いよいよ旅立ちの朝── なんだかいつもよりちょっぴりだけ早起きしちゃったけど──まあ、いっか。 あ、若菜、やっと起きたのね。ウフフッ・・・今日はいよいよ魔導学園に向けて出発の日よ。いつまでも寝てないでさっさと起きて着替えなさい。着替えが終わったらお兄様を起こしてきてね。──って若菜、聞いてる? んもう・・・今日は大切な日なんだからしゃきっとしなさい! 仕方がないからわたしがお兄様を起こしに来たんだけど、お兄様ったらもう起きてたのよね。フフッ、もしまだ眠っていたら、わたしが目覚めのキスをしてあげたのに残念。じゃあ朝食の用意して待ってるから、早く来てね、お兄様! 朝食を作るのはいつも私の役目。本当は若菜と一日ずつ交代で作ろう、って約束してたのに、若菜ってば私と違って朝が弱いから、結局私が毎朝朝食を作る事になったのよね。 朝食の準備をしていると、廊下の方からお兄様の足音が── 「あっ、おはよう、お兄様」 ・・・ってなんで若菜と一緒にいるのよ! え? わたしが出て行ったあと若菜が起こしに来た? ・・・たしかに若菜にお兄様を起こしに行ってねって言ったけど・・・だからってなにも二人仲良く一緒にキッチンにくることないんじゃないの? ・・・まあいいわ。二人とも自分の分のパンとバターを持っていってね。コーヒーも淹れたから、好きなだけ飲んでいいわよ。 ──でもこうやって考えてみると、毎朝お兄様と一緒に食事をできるのは今日までかもしれない。明日からはこうして一緒に食事を摂る事もできなくなるのよね・・・。なんだかちょっと寂しいけど・・・わたし達自身で決めたことだから・・・。 後片付けはやっておくから、出発の準備をして来いよ、って言うお兄様の言葉に甘えて若菜と二人で部屋に戻ってきちゃったけど、実を言えば準備なんてほとんど終わっちゃってるのよね・・・。あとは机の上の筆記用具と──そうそう、お兄様と若菜の三人で撮った写真も持っていかなきゃね・・・。 思えばこの部屋とも長い付き合いだったわね・・・ ──ポトッ・・・ あ、あれっ? もしかしてわたし、泣いて・・・る・・・? やっ、やだっ・・・今日は・・・泣かない、って決めてたのに・・・笑ってお兄様に、今度会うときはもっとキレイになってるから楽しみにしててね、って言おうって・・・決めてたのに・・・ お兄様・・・やっぱりわたし・・・お兄様と・・・お別れしたくないよ・・・ 今までは若菜とずっと、わたし達だけが魔法を使える理由を探しに魔導学校に行くことばかりを考えてたけど、いざお兄様とお別れするとなると・・・やっぱり悲しくて・・・わたしを慰めに隣に来ていた若菜も涙を流してたの・・・ そして気が付いたらいつの間にかお兄様の腕の中にいて・・・ ・・・うん、そうよね。ゴメンナサイ、お兄様・・・。やっぱり、自分達でこうするって決めたんだもんね。泣いたり途中で諦めちゃ・・・ダメよね・・・。 ──それじゃあわたし達、もう行くわね。また別れ辛くなっちゃうから、ここでお別れしましょ また会える日まで、元気でいてね、お兄様・・・♥ |