Neo Sister’s Story




 
深夜の決意





 ねえ、お兄様は“魔法”ってあると思う?




 ウフフッ・・・、そんな“なにをいまさら”って顔しないでよ。──そりゃあ近くにこんなかわいい魔法使いが二人もいたら信じたくなくても信じちゃうでしょうけど。




 あのね、お兄様・・・この前もちょっとお話ししたけど、わたし達、魔導学園に通ってみようと思うの。ほら、憶えてる? わたしと若菜がまだ小さかった頃、わたし達が精霊を暴走させちゃって大騒ぎになったとき、みんながわたし達のことを“化け物”扱いしたのに、お兄様だけはわたし達をかばってくれた時のこと・・・。本当はわたし、今までわたし達の魔法を見て喜んでいたお友達が手のひらを返したようにわたし達を“化け物”扱いしたとき、すっごい不安だったの・・・。もしかしたらお兄様もみんなと同じで、他の人と違って魔法を使えるわたし達のことを本当は怖がってるんじゃないか、わたし達のことを嫌いになるんじゃないかって・・・。




 でも、お兄様だけはわたし達のことをちゃんと分ってくれた・・・。「アンナがせいれいさんとおはなししているときに男の子がアンナのスカートをめくったからせいれいさんたちがおこってあばれだした」っていう私の言葉を信じてくれて、必死でわたしたちのことを慰めてくれたでしょ? あの時は本当にスゴク嬉しかった・・・。




 ・・・本当はね、あの時わたしも怖かったんだ・・・。そのときまではみんなが喜んでくれたからわたしも嬉しくってみんなに魔法を使ってみせてたけど、あんなことになっちゃってから私、どうしてわたし達だけこんなことができるんだろう、何のためにこんなことができるんだろう、って考えるようになっちゃって・・・。フフッ、変よね、あんなことになるまで全然気が付かなかったなんて。




 だからわたし、若菜と相談して決めたの。せっかく魔法が使えるんだったら、その使い方を教えてもらいに魔導学校に行こう、って。お兄様と離れ離れになるのはつらいけど・・・そこに行けばもしかしたら、わたし達だけが魔法を使える理由もわかるんじゃないかと思って・・・。




 若菜? あの子ならもう、明日の出発に備えてぐっすり眠っているわ。わたしは・・・ちょっと興奮して眠れなかったから、お兄様の寝顔を見に来ただけ。




 ──え? せっかくだから一緒に寝ないか、って? ・・・お兄様が誘ってくれるのは嬉しいけど、黙ってわたしだけお兄様と一緒に寝たんじゃ若菜に悪いし、今日は遠慮しておくわ。




 それじゃあ、わたしももう寝るわね。おやすみなさい、お兄様。・・・今度会ったときは、三人で一緒に寝ましょうね。約束よ・・・。





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