二人の想い
コンコン・・・。 『・・・若菜、起きてる?』 えっ・・・アンナちゃん? ちょうどアンナちゃんの事を考えていたから、ちょっとビックリしちゃいました。 『・・・ちょっと話したいことがあるんだけど・・・今、大丈夫?』 「あっ、はい・・・ちょっと待っててください、アンナちゃん」 椅子にかけてあるカーディガンを着てドアを開けると、そこにはピンクのカーディガンを羽織ったアンナちゃんが立っていて・・・ 「ゴメンね、若菜、こんな時間・・・って若菜、・・・もしかして泣いてたの?」 「えっ・・・あ、ううん、なんでもないんです」 あわてて目をそっと拭くと、くすって微笑ったアンナちゃんが、そっと若菜の肩を抱いてくれて・・・ 「ゴメンね、若菜。今までそっけない態度とっちゃって・・・。そのお詫びもかねて、今日は若菜にこれを渡しに来たの」 「えっ、これって──?」 「ホワイトデーのキャンディー──バレンタインデーのチョコのお礼よ。あの時はチョコレートありがとう。ほんとにすごく嬉しかった・・・」 「若菜も・・・アンナちゃんからチョコレートもらえて、すごく嬉しかったです」 「それでね・・・若菜」 ・・・? なんだかアンナちゃん、急に言葉を濁らせちゃったみたいです・・・。 「あ、あのね・・・わたし・・・若菜にチョコレートを渡した時・・・若菜に『愛してる』って言ったでしょ?」 「はっ、はい・・・」 あの時のことを思い出すと、なんだか恥ずかしくなっちゃいます・・・ そうしたらアンナちゃん、なんだかさっきよりもじもじしちゃって・・・ 「・・・あれ、本気よ。魔導学校の寮で若菜と二人で暮らすようになってからずっと・・・どうしようもないくらい若菜のことが気になりだしちゃって・・・。・・・ふふっ・・・おかしいわよね・・・女の子のわたしが女の子を・・・しかも、双子の妹の若菜を愛しちゃうなんて・・・」 「アンナちゃん・・・」 「・・・こんなの・・・迷惑よね・・・」 ポトッ・・・ 手の甲に落ちてきた大きな雫にびっくりしてアンナちゃんのお顔を覗き込むと・・・いつも元気で強気なアンナちゃんが・・・泣いていました。アンナちゃん・・・そこまで若菜のことを・・・ 「ううん、迷惑だなんて、そんなことないです」 「若菜・・・」 「・・・だって、若菜も、アンナちゃんと同じ気持ちだったから・・・。あのときアンナちゃんに抱きしめてもらって、すごくほっとしたから・・・」 「・・・本当に?」 「はいっ♪ 若菜もアンナちゃんのこと・・・本当に大好きなんです。お姉ちゃんとしてじゃなくて・・・一人の女の人として。だからアンナちゃんが若菜にちょっとそっけなくなったとき、心配だったんですよ? アンナちゃんに嫌われちゃったのかな・・・って」 「うふふっ、ごめんなさい」 でも──そう言ってアンナちゃんが上を見上げました。 「両想いだって分かってたら・・・こんなに悩まなくてもよかったのにね」 天窓の外では、お兄ちゃんの好きな冬の星座たちが若菜達を祝福してくれているかのようにきらきらと輝いていました。 |