ZAPPING Valentine(FullsizeVer.)──wakana side 「えっと・・・まずはチョコを湯煎で溶かして・・・」 チョコを作るのって意外と難しそうです・・・買ってきたチョコを溶かして型に流し込むだけじゃあ何か物足りないような気もしますし、かといっていろいろな味付けをするのも難しそうですし・・・ それにしてもお兄ちゃんってどんな味のチョコレートが好きなのかな・・・? あれ・・・?若菜は意外とお兄ちゃんのこと、よく知らないのかもしれません。でも、バレンタインは甘い恋を告白する日なんですから、やっぱりチョコレートも甘めのほうがいいですよね・・・。 お兄ちゃん・・・チョコレートより甘い若菜の甘い想い、受け取ってください・・・。 あ、いけない・・・若菜はまたお兄ちゃんのことを思い浮かべて、頭がぼーっとするところでした・・・えへへっ、ちょっと失敗しちゃったかもしれません。 お鍋の中のチョコレートはやっぱり若菜が思っていたよりもすっごく甘くなっちゃっていました。ふえーん・・・これじゃあお兄ちゃん、虫歯になっちゃいます・・・。 もう杏奈ちゃんとのお約束の時間まであんまり時間もないですし、やっぱりどこかのお店でバレンタインン用のチョコレートを買ってきたほうが・・・ でもアンナちゃんと二人で、ちゃんと自分で作ったチョコレートをお兄ちゃんに渡そうってお約束しちゃいましたし、それにやっぱり自分で作ったチョコレートの方が、お兄ちゃんに若菜の気持ちが伝わりますよね・・・ お菓子を上手に作るコツは、プレゼントする相手が美味しそうに食べているお顔を思い浮かべながら作るといいって聞いたことがあります。今度こそ、失敗しないようにちゃんと気をつけて・・・ うんっ♪ 今度は甘すぎないです。あとはこれを型に流し込んで、固まったら、デコレーションするだけです。 お兄ちゃん・・・明日のバレンタイン、楽しみにしていてくださいね。 ZAPPING Valentine ──wakana side ピン、ポーン・・・ ──はーい・・・ 玄関のドアの向こうからお兄ちゃんの、ちょっと眠そうな声が聞こえてきました。お兄ちゃんとお会いするのは久しぶりだから、なんだかすっごいドキドキしちゃいます。でもお兄ちゃん、お昼寝してたのかな・・・? ──ただいま、お兄様 うふっ、やっぱりお兄ちゃん、ちょっと驚いちゃってます。だって、若菜達、お兄ちゃんを驚かそうと思ってわざとお兄ちゃんに今日若菜達がおうちに帰ることをお伝えしなかったんですから。アンナちゃん、お兄ちゃんを驚かせる作戦、大成功ですね! ![]() お兄ちゃん、杏奈ちゃんが渡したプレゼントがチョコレートだって気が付かなかったってことは、今日がバレンタインデーだってことも忘れちゃってたんですか? あっ、若菜もお兄ちゃんにチョコレート渡さなくっちゃ・・・ あの、これ・・・お兄ちゃんのことを想いながら・・・一生懸命作ったチョコレート・・・受け取って、くれますか・・・? わあっ、ありがとうございます、お兄ちゃん・・・でも、頭を撫でられるとなんだか恥ずかしいです・・・ わっ、アンナちゃん、これ・・・? いつの間にかお兄ちゃんと若菜の首には真っ赤なマフラーがかかっていて、アンナちゃんも若菜たちと同じマフラーをしていました。アンナちゃん、お兄ちゃんにあげるマフラーのほかにも、三人でくるまれるマフラーを編んでたんですね! 実は若菜もお兄ちゃんに手袋編んできたんです。お兄ちゃん・・・手を出してくれますか? うふっ、お兄ちゃんの手、すごく冷たくなってる。若菜が温めてあげますね。 あと・・・ニット帽も編んでみたんです。今、かぶせてあげますね・・・きゃっ! ごっ、ゴメンナサイ、お兄ちゃん・・・ マフラーに引っかかって、お兄ちゃんに抱きついちゃいました・・・ でも・・・お兄ちゃんの腕の中って・・・すごくあったかいです・・・ ──あっ、はい。今日はちゃんと先生にお泊りの許可をもらってきましたから、大丈夫です。うふふっ、それじゃあお邪魔しますね、お兄ちゃん。・・・えっ? あっ、そうですね、ここは若菜のおうちでもあるんですから、遠慮しなくてもいいんですよね? わあーっ・・・久しぶりに帰ってきたから、なんだかすごく懐かしいです・・・若菜達が魔導学校に出発した時のまんま・・・ あっ、お兄ちゃん、ありがとうございます。うふふっ・・このココアも、すごく懐かしいな・・・。やっぱりお兄ちゃんの入れてくれたココアは、すごく美味しいです。 ・・・えっ、もう今日のお返しもらえるんですか? でもお兄ちゃん、ホワイトデーは一ヵ月後ですよ。若菜たちが受け取りにこられるかどうかわかりませんけど・・・ あっ、お兄ちゃん。もしかしてこれって・・・アンナちゃんと若菜の・・・誕生日ケーキですか? わあっ・・・お兄ちゃん、ありがとうございます。ちゃんと憶えていてくれたんですね。若菜はお兄ちゃんのためにチョコレート作ったり、手袋やニット帽作ってたから、すっかり忘れてました・・・ お兄ちゃん、お誕生日お祝いしてくれてありがとうございます。 ≪オマケ≫ 久しぶりのお泊りで、お兄ちゃんと同じお部屋で眠れるなんて、なんだかまたドキドキしてきちゃいました。小さい頃にお兄ちゃんとアンナちゃんと若菜の三人で寝たときにはこんなにドキドキしなかったのに、なんだか不思議・・・。あっ、でも・・・今でも学校の寮でアンナちゃんと同じベッドで寝るときは、少しドキドキしちゃいます・・・ それじゃあおやすみなさい、お兄ちゃん・・・ あれっ、アンナちゃん、どうしたんですか? えっ、アンナちゃん・・・若菜に、バレンタインチョコレートくれるんですか? すごく嬉しいです! あ、あのね、アンナちゃん・・・実は・・・若菜も、アンナちゃんにバレンタインチョコレート作ってきたんです。受け取って・・・もらえ・・・きゃっ、アンナちゃん? ──やっぱり若菜って、最高の妹だわ── お兄ちゃんがいるのに急にアンナちゃんに抱き寄せられたからビックリしちゃいましたけど、アンナちゃんがそう囁いた瞬間、なんだかすごく安心しちゃいました。 若菜も、アンナちゃんの妹でよかったです・・・ |