Neo Sister’s Story




ZAPPING Valentine(FullsizeVer.)──anna side






 2月になると、周りの女の子達が急にそわそわしだす。そう、2月14日のバレンタインデーに、大好きなオトコノコにチョコやプレゼントを渡して、愛を告白したり、愛を確認しあったりするための準備にみんな大忙し。わたしはもちろん・・・大好きなお兄様と若菜のために・・・





 今年のバレンタインデーには、チョコと一緒に、毛糸でいろんなものを編んでお兄様にプレゼントしようって若菜と二人で決めていたの。だから時間を見つけてはずっと編み物をしているのに、なかなか作業が進まない・・・ 編み物って意外と面倒なのね・・・ こんなことなら去年のクリスマスの時に花雪ちゃんにきちんと教わっておけばよかったかしら・・・





 こうなったら魔法で・・・





 ・・・とも思ったけど、それじゃあ手編みじゃないし、何よりお兄様への"想い"が編み込めないから、どれだけ時間がかかっても、たとえ上手く編めなくても、やっぱり自分の手で編まなきゃね。





 ええと・・・ここがこうなって・・・これが、こうだから・・・あっ!





 やっとできたわ!





 これだけ大きければ、私とお兄様、若菜の三人で使えるはず・・・もちろんお兄様が真ん中で・・・。





 って妄想に浸っている場合じゃないわね。早くチョコレートも作らなくっちゃ!





 お兄様、明日は私の愛情たっぷりのチョコレートと、想いを編みこんだプレゼント、楽しみに待っててね!





ZAPPING Valentine ──anna side





 ピン、ポーン・・・





 ──はーい・・・





 ドア越しに聞こえてきたのはお兄様の気だるそうな声。・・・よかった。お兄様、ちゃんとおうちにいるみたい。ここまできてもしお兄様が留守だったら、計画が台無しになっちゃうところだったわ。





「ただいま、お兄様」





 何も告げずにいきなり帰ってきちゃったから、ちょっと驚いちゃったかしら? でも・・・今日は2月14日──バレンタインデーなのよ? かわいい妹達がバレンタインチョコを届けに来ることくらい、予想していたんでしょ? ウフフッ・・・ はいっ、お兄様のために心を込めて作ったわたしのチョコレート、受け取ってもらえる?










 ──あっ、お兄ちゃん。若菜も・・・お兄ちゃんのことを想いながら・・・一生懸命作りました。初めて作ったからあんまり上手にできてないかもしれないけど・・・受け取って、くれますか?





 フフッ、若菜ったら照れちゃって・・・
 ・・・ってお兄様? な・ん・でわたしのチョコはすぐに受け取らなかったのに、若菜のチョコはすぐに受け取って、しかも頭まで撫でてるのよ! お兄様ってばホント若菜に甘いのよねぇ〜わたしも若菜には甘いけど。





 あっ、そうだわ。今ならもしかして・・・えいっ!





 お兄様には先に見られちゃったけど、急に首に巻かれたマフラーに若菜は少しビックリしちゃったみたい。ウフフッ、実はわたしとお兄様、それに若菜の三人でくるまれるマフラーを作っていたことは、若菜にもナイショだったの。かなり長めに編んだから、とっても苦労したのよ! ・・・あっ、もちろんお兄様が一人で使うものも用意してあるのよ。





 若菜ってば、編んだ手袋をお兄様の手にはめてあげるなんて・・・ちょっと羨ましいな・・・お兄様も、若菜も・・・





 あっ、若菜! お兄様とマフラーで繋がってるんだから無理に背伸びなんかしたら・・・ほらね。お兄様も若菜も大丈夫? もう・・・若菜ってばお兄様に優しく抱かれて耳まで真っ赤になっちゃって・・・





 ──そうね、今日は先生に外泊許可いただいてきたから、お邪魔するわ。お兄様。・・・あっ、自分のうちなのだから、別に遠慮する必要はなかったのよね、ウフフッ・・・






 へーっ、何も変わってないのね・・・わたし達が、魔導学校に出発した日そのまま・・・でもなんだか懐かしいわ・・・





 あっ、ありがとう、お兄様。やっぱり寒い日は甘めのホットココアが一番ね・・・ でもお兄様・・・、このホットココア、まさか他の女の子からもらったチョコレートを溶かしたものじゃないでしょうね?





 ──フフッ、冗談よ。これ、昔からわたし達が毎朝飲んでたココアなんでしょ? 懐かしい味ね・・・。でももし、少しでもお兄様が慌てる素振りを見せたら、許さなかったわよ?





 えっ、わたし達に渡したいものって、もう今日のお返しくれるの? ホワイトデーは一ヵ月後よ? 確かにわたし達が受け取りに来られるかどうかわからないけど・・・





 えっ、これって── やっ、やだっ・・・私ったら・・・お兄様に渡すチョコとマフラーのことで頭が一杯だったから、今日が誕生日だったってこと、すっかり忘れてた・・・ お兄様、ちゃんと私たちの誕生日、憶えててくれたのね・・・





 ありがと、お兄様。大好きよ。





≪オマケ≫
 ウフフッ・・・ こうやって三人で同じ部屋に寝るなんて、すごく久しぶりね・・・ わたし達が小さかった頃はよく三人同じフトンで寝てたこともあったけど、わたし達が大きくなっちゃった今ではわたしとお兄様の二人でも無理ね・・・ でも、今でも若菜とはよく二人で同じフトンに寝てるのよ?





 でもこれで、ようやくあの日の約束が叶いそうね・・・





 あっ、お兄様、電気消すのちょっと待ってくれる?





 忘れるところだったわ。はいっ、若菜。わたしからのバレンタインチョコレート。受け取ってくれる? 女の子が、しかも姉が妹にバレンタインチョコなんて変かもしれないけど・・・私は若菜のこと、愛してるの。だから、受け取って欲しいの・・・





 えっ・・・若菜も・・・わたしにバレンタインチョコレート作ってきてくれたの? ありがとう・・・嬉しい・・・





 なんだかすごく嬉しかったから、お兄様が見ているのに、私ったら若菜のことを抱きしめちゃった!





 やっぱり若菜って、最高の妹だわ──







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