Neo Sister’s Story
一人ぼっちのバースディ、二人っきりのバレンタイン
(若菜篇)
あっ、雪──
若菜がアンナちゃんの作ったチョコと若菜のチョコをもって外に出ると、外にはうっすらとでしたけど雪が積もっていました。道理で寒いはずです。アンナちゃん、あんなこと言ってたけど、本当に大丈夫かな……
学校の寮からお兄ちゃんの家までは何回も行ったことはあるから道は覚えてるけど、いつもアンナちゃんと一緒だったから若菜一人で行くのは初めてだし、それにやっぱり風邪をひいてお留守番をしているアンナちゃんが心配です……
やっぱりお兄ちゃんにゴメンナサイして、アンナちゃんの看病をしていた方がいいのかな…… でも若菜の分だけじゃなくてアンナちゃんの分のチョコもお兄ちゃんにお渡ししないといけないし…… もうすぐお兄ちゃんの家に着いちゃうし………
「え……きゃっ!」
いろいろなことを考えながら歩いてたのがいけなかったのか、氷が張った道に足を滑らせて転んじゃいました…… そして、手に持っていた紙袋が雪の上に転がってて、紙袋からはアンナちゃんから預かったチョコの箱が飛び出していて、しかも箱からはアンナちゃんのメッセージカードがはみ出していて……
ど、どうしよう……アンナちゃんからお兄ちゃんに渡してって言われたバレンタインチョコの箱とメッセージカード、雪で濡れてぐちゃぐちゃになっちゃった…… せっかくアンナちゃんがお兄ちゃんのために想いを込めて作ったチョコなのに、こんなのお兄ちゃんに渡せない……
あわてて紙袋の中を見ると、若菜が作ったチョコのほうは箱が少し濡れていただけでした。こっちをアンナちゃんが作ったチョコにしてもいいケド……若菜のメッセージカードが入ってるし……
「……ぐすっ」
これじゃ若菜、お兄ちゃんにもアンナちゃんにも嫌われちゃいます……
それでも若菜は、雪でぐちゃぐちゃになったアンナちゃんのチョコを元通り若菜のチョコと一緒に紙袋に入れて、お尻に付いた雪を振り払ってからお兄ちゃんのおうちに向かいました。アンナちゃんのチョコがあんなになっちゃっても、お兄ちゃんに渡してって言われた以上、ちゃんとお兄ちゃんにお渡ししなきゃいけないから……
ちゃんと事情を話せば、お兄ちゃんもアンナちゃんも、きっと許してくれるよね…… こんなことになっちゃったって知ったら、お兄ちゃんもアンナちゃんも若菜のことを嫌いになっちゃうかもしれないけど、隠していてあとでこんなことがわかっちゃったら、お兄ちゃんもアンナちゃんも、もっと哀しい想いをして、もっともっと若菜のことを嫌いになっちゃうから……
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