Neo Sister’s Story







 今日はいよいよ女の子が待ちに待ったバレンタインデー。だからわたしも若菜も2月に入ってから──ううん、だいぶ前からチョコと一緒にお兄様に贈るプレゼントを若菜と一緒に考えてたの。やっぱり想いを込めた手作りチョコのほかにも、何か手作りの贈り物をしたいな、って考えてたの。



 でも、今年はちょっと張り切りすぎちゃったみたいで……






「こほっ、こほっ……」



「大丈夫ですか、アンナちゃん……?」



「う、うん、大丈夫よ。ありがと、若菜」



 わたしが咳き込むたびに若菜が心配そうにわたしの顔を覗きこむ。この娘ってばスッゴク優しいから、かなり心配性なのよねぇ……。



 小さな電子音が鳴って、脇の下から体温計を取り出すと、その小さな液晶画面には37.6℃と表示されていた。小さくため息をつきながら若菜に体温計を見せると、若菜も心配そうに眉をひそめる。



「これじゃあ今日のバレンタインデー、お兄ちゃんに会いにいけませんね」



「う、うん……せっかく楽しみにしてたのに……」



 風邪さえ治せばお兄様とはいくらでも会える。でも、よりによってバレンタインデーの日にお兄様にチョコを手渡しできないこと、お誕生日をお兄様に祝ってもらえないことが何より悔しかった。



「だから若菜、今日は一人でお兄様に会いに行ってくれる?」



「え? で、でもアンナちゃんが……」



 わたしは身体を起こし、心配そうに口ごもる若菜の頭を抱き寄せた。



「そんなに心配しなくても大丈夫よ。それより若菜が今日お兄様に会いに行ってくれないと、せっかくのバレンタインチョコが無駄になっちゃうでしょ? だからわたしの分もお兄様に渡しておいてね」



「……アンナちゃんがそういうなら……」



「お願いね、若菜」



 不承不承頷いた態の若菜のおでこに軽くキスをして、わたしは若菜を送り出した。ゴメンね、若菜……







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